過去日記から
某健康ランドの警備員の巻 5
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事務所では あわただしく従業員が動き回っていた…「おはようございます〜」と その中を
抜け フロントで ロッカーキーを受け取る。…そして2階の従業員更衣室で制服に着がえた
ら警備員のおっちゃんのできあがりや… さあ!いこか〜
ゲームコーナーを抜け 売店を横目に浴場を目指す。☆おいおい!あかんぞ 隣は女子や!…
これは従業員に聞いた話やけど 事実 以前に 警備員が間違って女子浴場に入り お客さん
に見つかり大騒ぎになったことがあって また間が悪いことに 事務所に社長がいたらしく
即クビを勧告されたと… 怖い 怖い …せやから俺はいつも のれんを見て間違いなく男子
や!と必ず確認して入るようにしていた。…
1階の巡回も終え なにかと問題の多い2階のレストルームの後ろで いつものように監視を
していたとき 妙になれなれしく 声をかけてきた男性がいた パッと見た感じで40過ぎか
…「今日 久しぶりに来てんけど 人 多いね〜… ほんで 目の悪い女性と 小学四年生の
女の子と一緒に来てんけど 見なかった?…」 俺「えぇ〜っと よく来られる人ですかね?
と聞き返すと 「そうやねん ちょっとここで知り合って ちょくちょく一緒に来るねん」と
男が話した直後 またいつもの危険な香りというのか 犯罪の臭いというのかいつになく嫌な
予感がしたので 俺は 男の様子を伺いながら「へぇ〜 ランドで知り合われたんですか〜!
と復唱して はいはい!そうですね〜 今日はまだ見てないですけど お風呂かな〜?と言う
と 男は いや 先に一緒に入って… まぁまた上がって来ますわ〜とかなんとか言いながら
どこかへ消えて行った。…☆これはどう考えても怪しい なんであの目の悪いオカンと子供が
なんであのオッサンと親しくなるねん!しかも このランドで知り合って親しくなる? これ
はぜったい おかしい なんかあるで!と俺はこの後すぐ事務所に戻り モニターで男の居場
所を確認した…
夜中の1時をまわったころ 男は 女の子といっしょにレストルームに上がってきた。…
俺は なんか気付いていることを 男に悟られないよう 愛想笑いを浮かべ 頭を下げたが…
☆あれっ?オカンおれへんやん!どういうことや??…子供をオッサンに預けるほど親密な関
係か?…あのオカンと?…いやいや ぜったいそんなことはありえへんで!ほな それやった
らえぇ〜!!ちょっと待てよ〜 めちゃめちゃ危ないんちゃうん!!…いいや 待て待て!そ
のうちオカンも来るやろ…と そう 思いたかった…
で その男は 何食わぬ顔で そのまま女の子をつれて レストルームの一番前まで行きソフ
ァーに隣同士で横になった。その場所は 夜中1時を過ぎるとテレビが消され 少し証明が暗
くなり 2時でほとんど真っ暗状態となる。そのとき もう2時を過ぎていただろうか 当然
俺はもう事務所に入ってモニターを見ていた…
男は その女の子に丁寧にタオルケットをかけてあげているのだが 不自然だった!それはひ
じ掛けの幅約15cm 両方合わせて30cmほどあるひじ掛けを またいで掛けてあったか
らだ。つまり ひじ掛けが かくれて見えない状態だった。
やっぱり 案の定や! 男は女の子が寝たのを確認し タオルケットの下から 女の子の下半
身をゴソゴソと触っているようだった。当然もう分かっていると思いますが そうです!男は
直接 触っている手が見えないように ひじ掛けのところまでタオルケットで隠したのです。
(平群町で起こった 小林薫の女児児童殺害事件はちょうどその頃やった)…それを見て 俺
ももう半キレ状態で 横にいた従業員をつかまえ事情を説明し 今すぐ声掛けに いきましょ
う!と言ったが被害届が出せないから…云々で なかなか動こうとしない 確かに 被害者に
自覚がなかったら こちらが何かされましたかと言っても 本人が分からなければ話にならな
い。ましてや子供では… とりあえずもう少し様子をみることにした。すると 男がゴソゴソ
するたびに 女の子の身体はビクッと動いていた。…俺は 限界やった!「これはもうあかん
で!○○さん いこう!」と言うと伝わったのか はい!いきましょうと重い腰を上げてくれ
た… それで男に声をかけ 応接室に連行した。…
男は 初め足を触っただけとか ごまかしていたのだが すぐにやったことを認めた。俺は普
段 事件があっても 応接室では一言もしゃべらず 従業員の横で監視しているだけなのだが
このときばかりは 吠えまくった… そして しばらくして警察がきて かなりきつい言葉で
事情を聞かれていた。…少し離れて聞いていると なんと!って今では あんまりびっくりも
しないが… 実はその男 大阪府で中学の教師をやっているとのことで しかも妻子もちだっ
た……空いた口がふさがらんわ… その時やった 一人の警察官がドスのきいた声で言った「
○時○○分 逮捕!」…俺は一瞬ドキッ!とした。警察官の本気の声が 一瞬だが 確実にそ
の場の空気を変えた。…何の事情もクソもない!こんなことは言語道断じゃ あほんだら…
死刑にしたってください…
次の日 新聞に記載された。…そしてこの仕事について 初めて社長から ありがとうござい
ました!というお礼のお言葉までいただいた。… が しかし この話にはオチがあった…
それから2,3日して この事件に関する記事が載っていた「被害者が告訴を取り下げる」…
おそらく 金のつながりか?オカンは子供がいたずらされていることを知っていたんや つま
り黙認していた! それで考えたくないが 子供もそんな家庭事情で 目をつぶっていたんや
ろう… なんか めちゃめちゃ後味悪いで…